不安の口実 推測の根拠
日常において、自分の抱えている不安が妄想なのか、現実的なことなのか。毎回区別がつかなくて、精神が不安定になって、安定剤代わりに発作的に電話鑑定をしに来る人達が、どこの電話占いにも多い。
人間は一日に膨大な量の思考をするといわれている。思考の回転を完全に止めることは、禅僧でも難しい。
そのため、心配性の思考から数え切れないほど生まれる不安妄想を毎回占いで確認し解決しようとしたら、簡単に貯金が底をつく。そして、以前書いたように、占いをする「だけ」では事実確認をしたことにならない。電話で話しただけで突如物的証拠が出るわけもない。確認なしで不安は消えない。
心配性の人が危険や不安を感じた時に占い師に相談するなら、「真実は何ですか? その証拠はどこですか?」とか、「これは妄想ですか? 現実ですか?」ではなく、「これが妄想なのか論理的推測の末にはじき出した現実的なリスクなのかを自力で見分けるために、今何ができますか? 注意点は?」と自分で妄想を見分けるために必要なことや注意点を尋ねてみよう。妄想、推測、虫の知らせ・・・どれも脳の使い方が違う。ゆえに脳の中(心の中)には、見分ける証拠がある。
仮に自分の不安や危機感が「論理的推測の末にはじき出した現実的なリスク」であった場合。推測には現実的・客観的な根拠があるはず。そして、その根拠を基に、具体的対策を取ることが出来る。
しかし不安や危機感が単なる妄想だった時。推測だと思っていたものには、根拠がない。ゆえに、具体的対策の前提となる根拠が存在しない。根拠がないから、具体的な対策は取れない。
分かりやすく例えると、家探しで海の見える手ごろな物件を見つけたとする。すでに9割方その物件に決めようとしていた。しかし「海の見える所に住みたいけど、大津波が来て住居が浸水したらどうしよう」とある時突然不安になったとする。「大津波が来る」と「住居が浸水する」という推測の根拠をあげてみる。大津波が来る条件は? 土地の地形は? 物件の土地の海抜は? 海からの距離は?etc・・・
「この物件の立地条件では大津波が来るとは考えにくい」
「この物件の立地条件では浸水することは考えにくい(もし浸水するとしたら、市内全域が浸水することになるから心配しても仕方がない)」
そんな結果が出たとする。それで安心できれば問題解決。逆に、
「この物件が立つ場所は津波が発生しやすく、ハザードマップでは浸水しやすい区域」
そんな結果が出れば、それを根拠に「この物件は選ばない」または「地震保険の有無を確認」という対策がとれる。
しかし、仮に「この物件は大津波の被害を受けるとは考えにくい」という結果が出たにもかかわらず、
「でも100%の保証がない。とにかく、現実的な推測が及ばない理由(尋常でない地震や隕石で)大津波が来て家が浸水するかも(となれば市内が全滅するかも)」という不安がぬぐいきれない時。
「とにかく、よくわかんない理由でそうなっちゃうかも」という類の不安感は、現実の条件や状況がもたらす論理的感覚ではなく、精神的な部分の問題だ。「現実」ではなく「精神」が引き起こした感覚である以上、「妄想」と言える。例で言えば、精神が「海の見える物件」というだけのことを口実に「大津波で浸水」の妄想を作り上げたともいえる。「大津波で浸水」という不安を「恋愛の不安」や「仕事の不安」に置き換えても同じことが言える。
「妄想」は、現実世界の些細なことを口実にして無理やり話をこじつけ、決め付ける。まるで中世の魔女狩りのように。
今抱えている不安には、根拠があるだろうか? それとも、口実があるだけだろうか?
| 固定リンク


コメント